国産のX68000というマシンでやなぎさわ氏が開発したPICという形式のファイルフォーマットがあります(以後xPICと呼びます)。xPICは主に、アニメ調のグラフィックの可逆圧縮を目的としたフォーマットです。X68000は512×512ドット(65536色)のグラフィック画面を持っており、xPICもこの画面モードのセーブに対応したものでした。
xPICは非常に優秀な圧縮アルゴリズムを持っており、またフリーウェアとして仕様が公開されていることもあり、多くの機種・環境に移植されてきました。その中で、さまざまな色数の画面モード(256色、1677万色など)に対応したバージョンがでてきました。
X-TRACEはX68000上で開発されたレイトレーシングレンダリングシステムであり、xPICのロード
/ セーブに対応しています。
また、Macintosh版を開発したときに、Macのフルカラー(24ビット、1677万色)画面に対応した24bit-xPICにも対応しました。残念ながら、この時点では24bitのxPICに対応したアプリケーションが他に見つからなかったため、24bit-xPICのテストが十分ではありませんでした。
最近になって、24bit-xPICのロードに対応しているWindows95上のアプリケーションでX-TRACEの24bit-xPICファイルをロードしたところ、X-TRACEの24bitカラー情報と24bit-xPICのカラー情報の、赤成分と緑成分が逆転していることがわかりました。
X-TRACE 24bit-xPIC rrrrrrrr gggggggg bbbbbbbb の順
本来の 24bit-xPIC gggggggg rrrrrrrr bbbbbbbb の順
このため、X-TRACEでセーブした24bit-xPICを他のxPIC対応のアプリケーションでロードしようとすると赤成分と緑成分が逆転した不自然な画像になってしまいます。
改めて調べてみると、やなぎさわ氏が書かれたxPICの仕様書にも24bitの場合の色情報の順番はG-R-Bの順とうたっており、X-TRACEのものが違法なのでX-TRACE
R6.4から24bit-xPICのロード /
セーブは本来のxPICの仕様に準ずるように修正しました。
この場合、R6.3以前の、間違った仕様の時にセーブされていたX-TRACEの画像データがロードできなくなってしまいますので、FILEメニュー-Preference...のダイアログに"Load
wrong 24bit-xPIC bit
order"というチェックボックスを追加しました。このチェックボックスをチェックすることにより、R6.3以前の間違った仕様でセーブされた24bit-xPICをロードすることができます。このボタンはロード時のみ有効で、セーブ時にはこのボタンの状態に関わらず、本来の24bit-xPICの仕様でセーブされます。
また、このチェックボックスの状態は"Save
Default"ボタンでセーブされないため、一旦正しく読み込んだ画像は、改めてxPICでセーブし直すなどして、本来のxPICフォーマットに準じた形で保存し直してください。
24bit-xPICに対応したときにもう少し良く調べておけば良かったのですが、うかつでした。X-TRACE
R6.3以前の24bit-xPICはイリーガルなので、上述のように、正しい24bit-xPICでセーブし直して使って下さい。
X-TRACE
R6.4以降の24bit-xPICはやなぎさわ氏の仕様書に準じています。
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